high-school (後)


 

翌日、授業はなかったがゾロは忘れた竹刀を取りに学校へ出てきていた。
もう剣道部にも顔は出していないが、部室に入ると胴着を身に着けた後輩が嬉しそうに話しかけてくる。
「主将、合格したって聞きましたよ。おめでとうございます!」
「ああ…先生にか?」
「いえ、サンジ先輩から」
耳にするとは思わなかった名前に、ゾロは後輩へと向き直った。
「あいつが?ここに来たのか」
「え、あ、はい…来たって言うか、さっき体育館の前でたまたま会っただけっす」
一時サンジは剣道部にも熱烈的に押しかけていたので、部の全員が彼のことは知っている。
ゾロは竹刀を持って、部室を出た。
体育館に行ってはみたが、周囲にサンジはいなかった。辺りを見回すと、裏門へ通じる道の横にある木々に紛れてサンジの明るい髪の色がちらっと見えたので走り出す。細い道を抜ければ自転車置き場があるのだが、そこは無人だった。
「クソ…」
舌打ちしてゾロは、竹刀を肩に担ぎ直した。
帰り道にある堤防から河原に下りていく。昨日降った雪だか雨だかのせいで地面はひどくぬかるんでいた。
竹刀をまずは一振り。
最近していない素振りでもすれば、ぶつけどころのない苛々が解消されるかもしれない。
ヒュッと空をきる小気味好い音が数分続く。
寒かったのが、幾度も竹刀を上から下に振り下ろしていると段々体が暖まってくる。白い息を吐きつつも、次第に汗が噴出してきて額からこめかみにかけて拭った。ふう、と息をついた時視線を感じて顔を上げれば土手の上にサンジが立っていた。
目が合った、と感じた瞬間彼はくるりと方向転換をした。
「おい…!」
ゾロは竹刀を持ったまま、駆け上がり追いかける。追われてサンジが一層足を早めた。
「待てよ!」
本気で走ったが距離が開き出したので、地面を強く蹴って手を伸ばしサンジの腕を掴む。
「離せ──」
サンジが振り払おうとするがゾロはそれを許さず、肩を押さえつけにかかる。サンジが体を捻った刹那ぬかるみに足を滑らせて二人して土手を転がり落ちた。
漸う起き上がったが、双方顔も服も泥だらけである。
「畜生……何しやがるんだ」
「てめェが逃げるからだろうが」
「別に逃げてなんか…」
ゲホ、と口に入った泥をサンジが吐き出す。
「とにかく、これじゃ話もできねえ。俺んちに来い。服くらい貸してやる」
「いいって、服なんか。すぐ家帰るし」
「そうやって卒業まで、逃げ切るつもりか?」
ゾロの低い声に、サンジは表情を固くした。
「逃げてねえっつってんだろ」
「だったら、来いよ」
顎でしゃくってみせ、ゾロは歩き出す。サンジはしばらく躊躇っていたが間を空けて後ろをついてきた。
ここはゾロの部屋からもそう遠くはない。十分程度歩けばアパートが見えてくる。
鍵を開けて中へ入ると、ゾロは適当にシャツやジーンズを引っ張り出したがウエストが合わないだろうと思い直して紐で調整するタイプのズボンを探した。
「入れ」
玄関で突っ立っていたサンジへ声をかけたが動かない。
ゾロは溜息をつくとストーブに火を点けた。そして洗面所へ行きタオルを水で絞って広げ、サンジめがけて放り投げた。ばさりと彼の頭にかかる。
自分もバシャバシャと顔を洗い、泥がこびりついてカピカピになった服を脱ぎ捨てる。下着までは泥もついてなかったので、トランクス一枚でタンスから服を漁った。
「てめェも着替えろよ」
「…じゃあ、風呂場借りる」
ぼそりとサンジが言って靴を脱ぐ。
「恥ずかしいのかよ?男同士だろうが」
ゾロは頭からスッポリとセーターを被った。サンジが唇を歪めて、学生服のボタンを外し始める。
「そうだな。男の俺が脱いでも何も感じるわけねえもんな」
どこか口幅ったいその言い方に、ゾロもつい突っかかった。
「不満そうじゃねえか。俺がその気になったとしても、てめェは逃げる癖によ。人をコケにしやがって。むかつく」
久しぶりに会ったのに。こんなふうに言い争いたい訳では決してないのに。
「だったら、関わらなきゃいい。最初からお前は男なんか…俺なんか、興味なかったんだろ」
「さんざん引っ掻き回しといて、面倒になったらイチ抜けたってか」
サンジの襟首を掴んでギリ、と締め上げた。「ふざけてんじゃねえぞ、てめェ」
「なら…いったいどうすりゃいいんだ?」
苦しいだろうに、サンジは相変わらず暗い笑いを崩さなかった。「俺が全部悪いか。謝ればいいのかよ。ホモみたいな真似させてスイマセンでしたって。お望みなら、土下座でもしてやるさ。それとも、きちんとノーマルに戻れるように可愛い女の子でも紹介して」
「うるせえ!」
つらつらと並べるサンジに我慢がならなくなり、その頬を殴りつけた。
「つっ…。ここまで譲ってやってんのに、どこが気にいらねえんだかな」
口の端に滲んだ血を、サンジがごしごしと袖で拭いた。「上等だ。理屈でカタつけんのが嫌なら、こっちで相手してやろうか」
言い様、サンジは右足の踵をゾロの脇腹に叩き込んだ。素早い攻撃に、油断していたゾロが壁まで吹っ飛ぶ。
「…やるじゃねえか」
一見線の細いサンジだが、その蹴りは尋常でなく重かった。
「実は昔から、クソジジイに格闘技仕込まれててな」
とんだ隠し弾があったもんだ。
だとすりゃ、遠慮も手加減も要らねェな。
ゾロは腰を深く落とすと、足を振り上げてくるサンジに突進した。二人揃って倒れ、狭い部屋がズシンと揺れる。
馬乗りになって押さえつけ、拳を固めるとサンジがあえて受けとめるかの如くにゆっくりと瞼を閉じた。
「てめェは…本当にこれで、ケリつけようってのか?」
ゾロの手は、サンジの耳を掠めて畳に着いた。「俺がてめェをボコったら、それだけで済む話なのかよ?舐めんな。俺を何だと思ってやがるんだ!」
「…そりゃ、こっちが聞きたいね」
目を開いたサンジは冷えた視線をゾロに向けた。「仕掛けた俺に責任がねえとは思ってねェ。けどな…お前だって、ひでえ。お前が、気ィ持たせて期待させるから!好きでもねえのにハンパに優しくして、キスとかするから…諦められなくなっちまったんだ」
泣いているのかと紛うほどに、辛そうな声だった。
「俺が…俺が、どんなにお前を好きなのかも知らねェで…!」
ずっと、ずっと。ゾロの考え及びもつかないところで。
彼は気持ちを溜め込んでいたのではないだろうか。
ゾロがサンジに気持ちを向けることへの疑いとか、不信感とは違う気がした。
その場の感情に任せて、サンジに触れていたこの気持ちをきちんと見定める事が必要なのかもしれない。そして彼に教えてやらなくては、ならないのだと思った。
「…じゃあ。ちゃんと、見せやがれ」
隠して大事に扱わなければ揺らいでなくなってしまう、そんな儚いものではないだろう。「それと、俺の気持ちがハンパかどうかも試してみろ」
分からせてやるから。
喧嘩のせいで擦り傷がいくつかできた頬に手を当てる。
唇を重ねるとサンジが一瞬身奮いしたのが、伝わってきた。
「やっぱ、ひでえよ…んな事言われたら、逃げらんねえだろ」
「逃がす気もねえしな」
体裁良く、誰も何も傷つけずに。そんな真似はどうせできやしないのだ、ゾロには。
だが、欲しいものを欲しくないと偽ったりはしない。
サンジに再びキスをする。今度は唇の隙間から舌を差し入れた。歯列を柔らかくなぞって、戸惑いがちな彼の舌を絡めとる。髪を梳いていた指は耳の後ろを這い、うなじから肩へと滑り落ちた。彼の口内を舌で荒らしながら、制服の上着を脱がせていく。Tシャツの中の暖かくしっとりした肌は手触りが良く、背中から腰にかけて執拗にまさぐった。薄手の生地の上から手で辿ると改めて、硬く弾力のない彼の体は同性なのだと認識するがゾロは構わず愛撫めいた動作を続けた。
「…ん…ホントに…すんの、か」
キスの合間に途切れ途切れにサンジが息と声を漏らす。「つうか、お前男とできんの…?」
「やってみなきゃ、わかんねェ」
唇を離し、鎖骨を軽く噛む。サンジが僅かに首を竦めて顎を引いた。「てめェこそどうなんだよ」
「俺だって野郎となんて、初めてだけど」
上気した頬は長いくちづけの為だろうか、それとも昂揚感の為だろうか。「けど…想像した事はある」
「あ?」
「一人でする時に…。お前に触られたら、どんな感じだろって──」
息を弾ませて、へへっと笑うサンジに、ゾロは下半身がずくりと熱くなるのを感じた。
勢いつい視線を下ろした彼の下肢に手も伸ばしてみると、その部分は硬くなっている。
「バカ、いきなり…触んな…!」
身を捩る彼の制止も聞かず、布の上から掴む力を強くするとサンジが眉根を寄せた。「…う、んっ…」
無意識と言うか狙ってるわけでは当然ないがそんなサンジの様子は、ゾロの下腹部の疼きをますます激しくさせた。
彼の全部を、見たくなった。
カチャカチャとバックルをもどかしく外し、下着ごとズボンを剥ぎ取る。シャツも引っ張って脱がせた。
「さみ…」
じっとゾロが見つめてくるので、サンジが居心地悪そうにもぞもぞと体を動かす。「クソ…何だよ?やっぱ男だし、萎えたか」
「──残念ながら、ちっとも」
自分の体と同じものがついていて、女性とは違うのは瞭然だったが。それでもサンジに触れていたい気持ちは変わらなかった。その肌を直に感じたくて、ゾロも着ていたセーターを脱いだ。平坦な胸にある小さな尖りを親指で潰して摘む。舌先で掠めると、くすぐってえよとサンジがゾロを押しやった。
「やっぱ気持ちいいのはココか」
キスをして体を寄せているうち、すっかり勃ちあがってしまったものをゾロが柔らかく握る。
「…や……」
刺激を待っていたそこがびくっと震えた。「お前、何か手つきやらし…」
「感じてんなら、素直にそう言えよ」
ゾロが素早くジッパーを下ろして自分のものを出し、手を添えると上下に動かし始めた。
「おい、ん…あっ」
密着した体も、二人の性器がゾロの大きな手に擦られる淫らな光景も。湿った音にも興奮を煽られ、一気にサンジが上りつめる。
呼吸はせりあがって、堪らずゾロの手を止めようとするが。
「あ、駄目だゾ…出っ…!」
サンジが身を硬直させ、白濁した液を放った。
「出ちまったな」
「て、てめェがそんな急いで擦るから──」
潤んだ瞳で睨みつけてくるものの、しかし吐精後の艶っぽい顔はゾロを挑発するだけである。
ゾロとて、さほど余裕はないのだ。
サンジがゾロから離れかけるのを押さえ、のしかかる。
「まだ終わりじゃねえだろ」
腹部についた粘液をすくうと、サンジの尻へと指を這わせた。「ここ、使うしかねえよな」
「…本気か?」
「嫌か」
不意に真顔になったゾロを、サンジが見返した。やや、間を置いて答える。
「お前が、いいんなら…」
じゃあ問題ねえ、とゾロは半身を起こすとサンジの腰を支えた。このままでは、とても挿入は無理だ。窄まった部分を揉み解して、人差し指をぐっと入れる。取り立ててセックスの経験が豊富なわけではない──しかも男同士である。それでも繋がろうとする一心で、ゾロは指の出し入れを繰返した。
サンジはひたすら異物感に耐えていた。
解れているのかどうかも、自分では不明である。だが、徐々にゾロの指が増えていくのは明確に感じられた。
「痛…」
三本になり、さすがに引き攣れる痛みに肘をついて起き上がろうとするがそのはずみで指の角度が変わり、内部を鮮烈な感覚が通り過ぎた。
あっ、と掠れた声に、ゾロが細い目を見開く。
「…どっか、良かったのか?」
「ち、」
「違わねェだろ」
ゾロがたった今見つけた場所を逃すまいと手を小刻みに動かした。その度にサンジが腰を浮かせて、再び呼吸が忙しくなる。「また勃ってきてるぜ」
実に分かり易く反応する己自身が情けなくもあった。そこを刺激されるとジンと痺れが走る。指摘された通り、欲望の兆しが再度頭を擡げていた。
「あ、あ。待てって…」
「何だ」
「俺ばっか……イかせるつもりかよ!」
半ば逆ギレて、ゾロの短髪をギュウと引っ張る。ゾロはちょっと驚いたようにサンジを見ていたが、やがてフッと口元を緩ませた。
「…了解」
こっちもいい加減我慢の限界だしな。
慣らしていた指を入口の辺りまで抜き、そして熱い塊を宛がうと代わりに押し入れていく。
信じらんねえ、とサンジは思う。
ゾロが自分に初めてキスした時もそう思ったけれど。
その時より遥かに現実味がなく、それでも痛みとゾロの欲情した顔や筋肉質な体はひどくリアルだ。
「てめェん中、熱くて狭いな。マジできつい」
「実況すんじゃねえよっ」
「けど…すげえ、いい」
耳に低く熱っぽく囁かれて、サンジはぞくぞくと体を震わせた。
完全に奥に入ったのか、穿たれた部分が更に圧迫感が増す。ゾロが、腰を揺すり始めた。となるとどうしても、喘ぎめいたものが漏れてしまう。
「あっ…あ」
入口は限界まで広げられて痛かったが、強い感覚があまりに続くと苦痛だか快感なのか分からなくなってくる。
ゾロが両肩にサンジの足を乗せて、結合が深くなった。
彼の息も荒く、汗がこめかみから伝ってサンジの腹部にぽたりと落ちた。はっ、はっ、とトレーニングをしている時みたいにリズミカルな呼吸と共に腰が打ちつけられる。
「ん、ゾロ…ゾロッ…!」
繰り返し彼の名前を呼んだ。呼べばゾロは体勢を変えてサンジにキスをしてくる。その逞しい首を引き寄せてしがみついた。
う、とゾロが微かに呻いて達するまでに、そう時間はかからなかったと思う。サンジを今一度頂点に導くゆとりは、ゾロになかった。
それでもサンジは充分だった。充分過ぎた。
ゾロが自分を抱いたことで、不快な思いや後悔だけはさせたくなかったから。






校庭の隅で早咲きの桜の花が開いている。
気候もうららかで、すべては春を待ち切れず動き出している感じだ。校舎から出たサンジは、声をかけてくる後輩(主に女子生徒)と握手をしつつ別れて裏庭に回った。
先刻式も終わり、そこここで在校生や卒業生が話している。既に帰った者もいるし、サンジも用事は特にないのだが三年間過ごしたこの学校に名残を惜しみたい気持ちがあった。しかし、それだけではない。
──高校生活に区切りをつける時間だ。
よくゾロが根元で昼寝をしていた裏庭の大きな椋の木。いつものように学ラン姿の彼が座り込んでいるのに苦笑するが、それも今日限りの光景なのだと考えるとどこか切なくなる。
「昼寝納め、か?」
とりわけ普段と変わりない口調を心がけてサンジは、証書が入った昔ながらの丸筒でゾロを突いた。「さすがのお前も、卒業式じゃ寝られなかったろうし」
「いや。卒業証書渡す時に三年の名前全員呼ぶだろ。あん時やばかった」
くあ、と欠伸をするゾロは泰然としているのにガキくさくて可愛くもあり、サンジの苦笑が本物の笑みに変わる。
「てめェらしい。大物なんだか鈍いんだかなァ。お前って、いつまで経ってもそんな感じなんだろうな」
「人を成長しねえみてえに言うな」
ゾロが立ち上がると、木にもたれかかった。
「そうは言ってねえよ。そりゃ年重ねたら、もっといい男になるだろうさ」
ならないと承知しねえ。何しろ、この俺が惚れた男だからな。「楽しみにしてるぜ。同窓会とかでガッカリさせんなよ」
おどけてゾロの胸にパンチを軽く入れてやった。
未来のゾロの姿はもちろん分からなくても、十八歳の彼に会えて、好きになれて、体を交えることができて良かったと。しみじみサンジは感じる。
ゾロは引こうとするサンジの手首をやんわりと、だが抗いがたい力で掴んだ。
「それで?高校卒業したら俺からも卒業か」
怒っているふうではなかったが、すんなりとかわせる雰囲気でもなかった。
「ゾロ」
サンジはゾロの手に自分の掌を重ねて静かに告げた。「卒業したら、どうしたって今までみたいにはいかねェよ。お前大学、結構遠いトコ行くんだろ?俺も仕事があるから、頻繁には会いに行けない」
なしくずしに自然消滅するよりは、きちんとけじめをつけた方がいいのだ。未練がましく想いを引きずりたくない。
ゾロはサンジの言葉が終わると、口を開いた。
「まあ、てめェがどうしてもってんなら、止めねえ。実際、今のアパートからも引越すしな。忙しい社会人に無理してまで、会いに来て欲しくはねえよ」
理解してくれたのかとサンジは安堵の息を吐くが、それなら何故この手を離さないのかと不思議に思った。
「だから、俺から会いに行く」
「何…言ってんだ?」
「てめェがしたいようにするなら、俺だってどうしようと俺の自由だ」
「アホか、お前は」
サンジが呆れて首を振った。それはどこのガキ大将の理屈なのか。「不精もんのお前に、そんなの続くわけねェだろうが。往生際悪いのも大概にしろよ」
「往生際が悪いのはてめェの方だろ。途中で放り出すな。俺を無視して、勝手に終わらせるんじゃねえよ」
「それは…」
「だいたいてめェは間違ってる。肝心なのは、てめェが俺に惚れてるかどうかじゃなくて」
ゾロはこともなげにあっさり言ってのける。「俺が、惚れた奴を簡単に手放すほど甘くねえって話だ」
電池が切れた玩具さながらに、サンジは固まってゾロの顔を見つめた。
だって、どんな反応をすればいいのだ。
どう答えればいいのだ。
心底好きな男にこんな殺し文句を投げられたら。
「何で…んな事言うんだ。俺がお前から…本当にずっと離れられなくなったら──どうしてくれんだよ…」
サンジが恨みがましく呟いた。するとゾロはニヤリと、さも傲慢に微笑む。
「もう手遅れだろ?」

……その通りだよ、コンチクショウ。

悔しくて嬉しくてたまらなくて、涙が出そうになった。
今日なら、泣いても卒業式のせいにしてしまえるだろうか。

でも目の前にいる彼は誤魔化せない。その必要もない。
ゾロが潔く気持ちを曝け出してサンジを必要としてくれているのだ。こちらだって、それなりの覚悟で応えたかった。
お互い環境が変わってもこの先気持ちが絶対に変わらないなんて保証も約束もできはしないけど、まずは──新しい春を二人で始めよう。



-fin-

 


[TOP] 20041107完結



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