compete 19's


「俺の勝ちだ」
「なに言ってやがる、俺の勝ちだ」
「テメェの目は節穴か、クソ剣士」
「そっちこそデカイ目でどこ見てんだ、エロコック。前計った時は、俺の方が1センチ高かっただろ」
「前ってそりゃいつの話だ、アア?俺は若き美貌の青年だぞ。身長だってどんどん伸びるんだよ」
「美貌は関係ねェだろ!そういう事なら、俺だって伸びてる筈だ。何だったら、ナミに定規か何か借りてこい」
「こんなつまらねェことで、ナミさんを煩わせる気か。俺にゃできないね。どうしてもってんなら、テメェが借りてこい」
「嫌だ。アイツに物を借りると金が要る。これ以上借金は作りたくねえ」
「けっ、貧乏剣士め。まあ少なくとも足は俺の方が長いな」
「そんな細いズボンはいてりゃ、長くも見えるだろうよ。腰の位置は俺の方が高ェ」
「腹巻で誤魔化してるだけじゃねぇかよ!」
「あんまり近付くな。酒くせぇ」
「テメエだろ、そりゃ。呑み過ぎだぜ、いくらウワバミのテメェでもな。目つきがいつもより悪ィぞ」
「こんな良い酒久しぶりだったしな。テメエこそ弱い癖に、呑み過ぎだ。足に来てんじゃねぇか…酒で俺に勝てるなんて思うなよ」
「酒に強いなんてのは、威張る事じゃないぜ」
「何言いやがる。男の甲斐性だ」
「男の甲斐性って話なら、やっぱ女だろ。このサンジ様、泣かせた女は数知れず…いや〜、こりゃもうお前には、これっっっつっっっぽっちも勝ち目はねぇよなあ。悪ィ悪ィ」
「だーっ、鬱陶しい!目の前で指ちらつかせんじゃねぇっ。だいたい、そんなのは場数の問題じゃねぇだろ?」
「ほお?じゃあどういう問題だ」
「質だ」
「悪いけどな、それでも負ける気はしねえぞ。この俺に、どれだけ素晴らしい恋愛遍歴があるか…まあ一晩はかかるな。それでも良けりゃ話してやる」
「尻軽な女とした薄っぺらいセックスなんか、ものの数に入るかよ」
「女に興味なさそうな剣士サマが偉そうに言いやがって。てめェ童貞じゃねえのか」
「誰が童貞だ。素人童貞みたいな奴に言われたくねぇな」
「俺と切ない恋におちて身を焦がしながらも別れざるを得なかったレディたちに失礼だぞ、そりゃあ。とにかく、今まで俺にかかって落ちない女はなかったぜ。まあ当然だけどな。甘い囁きに、素晴らしい愛のテクニック…」
「ナミはどうなんだ。そんなスバラシイ手管がありゃ、とっくに落ちても良さそうなもんだがな」
「彼女はなあ、聖域ってヤツなんだよ。そんじょそこらの女とは違う。まあ、例えて言うなら尊い姫君に仕える騎士の立場っつうか」
「アホらしい。口から出任せも大概にしとけ」
「何が出任せだ、コラァ!だったら証明してやろうじゃねぇかよ。テメェなんざアッという間に昇天だぜ」
「おい!どこ触ってんだよ」
「触らなきゃ俺の技が分かんねえだろ?…チッ、握りにくいな。デカさだきゃあ、誉めてやるよ」
「ふん、テメエの貧弱なチンコと比べんじゃねェ」
「大きいから良いってもんじゃねえだろ!硬度とか耐久性とか、色々あんだよ」
「負け惜しみにならなきゃいいがな」
「おーお、言うじゃねえか。だったらな、このテクニシャンの腕をとくと味わいやがれ」
「くっ…」
「ほら、だんだん勃って来たぜ。ストイックなふりしやがって、このムッツリスケベ」
「触られて勃つのは当たり前だろうが!俺はインポでも何でもない、健康な男だからな」
「素直じゃねえな。体の方は満更でもないみたいだぜ?おらおら」
「…じゃあ、俺は直接触らなくても勃たせてやろうじゃねぇか」
「おい、シャツ引っ張んなよ。テメェの安っぽい服と違って、俺のは高級オーダーメイドなんだからな。…って人の話聞いてねえのか!ボタン飛ばすんじゃねェ!」
「邪魔くせぇんだよ。面倒な服着やがって」
「馬鹿、くすぐったい…止めろ、へったくそ!」
「くすぐったがりってのは感じやすい体質らしいぜ」
「何言ってやがる…んっ…あ…」
「ほら見ろ」
「うるせぇ」
「半勃ちじゃねぇか」
「お前こそ、先っぽヌルヌルだぜ。無理しねえでイッちまえ」
「俺はまだまだ大丈夫だ」
「俺だって、序の口だ」
「よく言うぜ。これでもかよ」
「バッ…急に握んな!それならこうだ」
「……ハ…」
「…フッ…」
「どうだ…そろそろ限界だろ?」
「テメエこそな…」
「…く…はっあ…ッ」
「ああっ…!」
 
「うわ!」
「冷てェッ!」

「──ナミ!てめーか、水かけやがったのは」
「だから何?あんた達、夜中に騒ぐんじゃないわよ!まったく眠れやしない。ホモなのは勝手だけど、ちょっと静かにしてちょうだい」
「ナ、ナミさん…誤解だ〜」
「無駄だ。聞いてねぇよ。もう行っちまった」
「クソ剣士、テメェのせいだぞ!」
「お前がさっさと負けを認めりゃ良かったんだ」
「負けてもねーのにかよ。冗談じゃねぇ」
「あん?まだやる気かよ」
「イヤ、さすがに今夜はもう…。今度は水じゃ済まねぇだろうし」
「そりゃそうだな」
「……」
「……」
「男って、ちょっと哀しいかもしれねぇなァ」
「同感だ。今日ばかりは、テメェと気が合うみたいだぜ」

「クソ気色悪い」
「お互いさまだ」

 

-fin-


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